「未経験歓迎」「年齢不問」など、職種未経験者にとっては非常に魅力的な文言が求人票には並んでいますよね。
私はこれまで2000名以上の転職の相談に乗ってきましたが、ほとんどが20代の方で、未経験の職種へのチャレンジも多数支援してきました。
そんな私が考える、職種未経験の限界年齢は諸条件にもよりますが、「29歳」つまりは20代のうちであれば、挑戦が可能と考えます。
今回は、30代以降で未経験転職が難しくなる理由と、30代以降でもどうしてもチャレンジしたい職種がある際に、抜け道となる転職方法を解説します。
30代以降の未経験転職が難しい理由
- 求められることが「ポテンシャル」ではなく「実力」になるから
- 年収面でのミスマッチが起こりやすくなるから
- 組織バランスを保つため
1、求められることが「ポテンシャル」ではなく「実力」になるから
読んで字の如くにはなりますが、
20代のうちは、「これから育てれば良い年代」のためポテンシャルを求められます。
第二新卒という言葉があるように、一定期間社会人を経験してみて、より解像度が上がった段階で、
自分に合う職種へキャリアチェンジを考えるのは当然だと思います。
ところが30代になるとどうでしょうか?
自分の会社の30代の社員を思い浮かべてみてください。
教育対象ではなく、独り立ちして業務の主要プレイヤー、あるいはマネージャーが殆どだと思います。
30代以降の社員を、今からじっくり育てよう!とはなかなかなりづらいです。
2、年収面でのミスマッチが起こりやすくなるから
1社に長く勤めていると、当然昇給のチャンスもたくさん巡ってきます。
例えば、年2回の給与改定がある場合、5年間勤続すれば10回の昇給チャンスがあるわけです。
当然、24歳勤続2年の若手と比べると、34歳勤続12年の社員の方が年収が高くなっている傾向にあるわけです。
※もちろん業界職種により24歳でも年収が相当高い方もいますが、、、
未経験職種に転職をするということは、今までいただいていたお給料と同等の働きをすることが難しいと思います。
つまり年収が下がる可能性があるわけです。
「いやいや私は年収がいくら下がっても大丈夫です!」と思いますよね?
ただ実際生活レベルが下がると元の水準に戻したくなるものです。
企業側はその理由で何度も短期離職者が出ているので、
あなたの意向というよりは方針として大きく年収が下がる場合は懸念事項になるのです。
3、組織バランスを保つため
中途で入社をするということは、新卒入社をした人たちよりも、同年齢時点での経験が少ないわけです。
例えば、24歳で未経験中途入社をした場合、新卒で入社した同じ24歳の社員は2年ほど経験があるわけです。
26歳で中途入社をした場合は、新卒入社24歳の社員は2歳年下なのに、2年先輩ということになります。
年が近い20代ならまだしも、30代越えの人に先輩として業務を教えたりするのは、
若手にとってはやりづらいですよね。
ベンチャー気質の強い企業では代表取締役が30代前半なんてこともあります。
年齢はあくまで数字ですが、全く気にしないという企業は少ないのです。
30代以降で未経験転職をする抜け道
ここまでは、30代以降の未経験転職が難しい理由を列挙しましたが、
つまりは20代未経験者の方が採用ニーズにマッチしているということなんです。
では30代以降は未経験転職ができないかというと、そんなことはありません。
ニーズのある30代であれば例外的に採用されることもあるので、
ここからはどうすれば30代以降で未経験転職ができるかを解説します。
- 「完全未経験」ではなく「実務未経験」になる
- ベンチャー企業を狙ってみる
- 業務委託で経験を積む
1、「完全未経験」ではなく「実務未経験」になる
先述した通り、20代はポテンシャルを見られ、30代は実力を見られます。
それであれば、実力に直結する知識を身につけることで、選考のチャンスをもらえることがあります。
例えば、ITエンジニアを目指す場合、ほとんどの未経験採用企業は20代限定で採用します。
ITエンジニアはプレイヤーとしての年齢が比較的若く、35歳定年説なんてものも謳われています。
であれば、おそらく20代未経験転職者が保有していないであろう、
中級レベルの資格「Java Silver」とか「応用情報技術者」を取れば、面接してもらえるかもしれません。
2、ベンチャー企業を狙ってみる
正直大手や中堅どころは30代以降の未経験はかなり厳しいと思います。
なぜなら求人を掲載すれば多数の応募が集まり、
20代の中でも特にポテンシャルの高い層を採用することができるからです。
※どの企業も人材不足で採用に苦戦していると言いますが、未経験求人で大手であれば応募は集まります。
一方で、ベンチャー企業であれば、
教育制度は大手ほど整っていないところがほとんどですし、
会社の安定性や事業の展望も未知数です。
20代転職者が「避けそう」な企業を狙うことで、
面接をしていただけるチャンスがあります。
3、業務委託で経験を積む
「未経験」だから採用されないのであれば、経験を積んでしまおうという戦略です。
ランサーズやクラウドワークスに登録して、報酬は安くても良いので実務を経験しましょう。
勉強はしていたけど実務未経験の方と比べて、
しっかり報酬をいただいて取引先のいる責任のある仕事をした経験は有利に働きます。
面接の際にも、「今の年齢から未経験ではご採用いただけないと思い、即戦力になるために業務委託で案件を経験しました。」
なんて言えると評価爆上がりです!積極性が良い!
※現職と問題にならないように、副業規定は確認しましょう。
まとめ:何事もやりようはある
キャリアアドバイザーを長年経験していますが、
え!この人受かるの!?みたいなケースって割とあるんです。
もちろん本人の努力や魅力があっての話ですが、
採用企業側のタイミング等も噛み合って、
無理だと思っていた転職が叶うことってあるんです。
まずはしっかり準備を整えて、チャレンジしてみましょうよ。
もしかしたら天職かもしれないのに、チャレンジする前から諦めるのは勿体無い!
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