私はこれまでに2000名以上の求職者様を面談してきました。
推薦以降に進むと、面接対策をするのですが、私の会社では特に力を入れている分野です。
面接対策の定石として、ポジティブ変換をしろ!とよく言われていましたが、
実は時代遅れなんです。(新卒なら通用するかも)
内定の秘訣はズバリ!「ポジティブ変換しないこと」でした。
これまで定石だったポジティブ変換が通用しない理由
昨今ポジティブ変換だけでは面接の突破が難しくなってきたように感じます。
理由は、中途採用のニーズが増えたことで面接官の目が肥えたからです。
2000年ごろまでは新卒採用→終身雇用が根強かったですが、
近年では終身雇用の崩壊、転職を経験しながらスキルアップ・キャリア形成をする時代になりました。
中途採用の特徴としては、面接を受ける方に社会人経験があることです。
一部ご家庭の事情等を除くと、現職に不満があるから転職をするわけです。
それを無理やりポジティブな理由に変換するとかえって不自然に聞こえ、
中途採用慣れした面接官は不信感を抱いてしまうのです。
新卒就活の際は、社会人経験がないため、ある意味ポジティブの押し売りでもなんとかなったのが、
中途採用では通用せず、採用担当が「ネガティブを隠している」ことを見抜けるようになったんです。
ポジティブ変換に変わる2つのテクニック
では、ネガティブな事象をどのように伝えるのがベストなのか、
残業を減らしたいという理由を例に考えてみましょう!
1、数字で納得感のある根拠を示す
悪い例)現職では残業が多く、ワークライフバランスが悪いため転職を希望します。
→これでは就労意欲の低いおサボり社員かと思われてしまいます。
良い例)現職では月に40時間以上残業をしており、⚫︎⚫︎の資格取得等、
キャリアアップに充てる時間がなく、上長とも相談したのですが、
しばらく体制変更はないという回答でした。
現職ではキャリアアップができないと判断し、転職を希望いたします。
→残業時間が多いという理由はそのままに、幾分納得感が強くなったと思いませんか?
残業が多い・少ないという感覚は個人により大きく変わるため、
具体的な時間を示すことで、「それは確かに多い!」と共感してもらえます。
また、現職でやれることはやったけど改善しなかったという要素も納得感に繋がりますね。
2、自分にも落ち度があったことを素直に認める
悪い例)一時期早く帰ったりはしていたんですが、上司からは嫌な顔をされました。
→他の方に業務を押し付けそう、不満体質そう に聞こえませんか?
良い例)⚫︎⚫︎業界は業務量が多いとは調べていましたが、私の覚悟も足りていませんでした。
→ちゃんと自分の非を認められる素直な人材!育てたい!一緒に頑張ろう! と思います。
日本では職業選択の自由が認められているので、
その職種・その企業を選んだのは他でもないあなたなのです。
もちろん入社前に聞いていた話とあまりにも違う!となれば企業に責任がありますが、
リサーチ不足や自己分析が足りていなかった要因もあると思うので、
素直に認めた方が一緒に働きたいと思ってもらえます。
ネガティブなことは言い回しを考えればそのまま伝えてOK
上記のテクニックを使えば、ネガティブな転職理由をそのまま伝えても問題ありません。
むしろ、「現職から何を変えたくて転職をするのか」がわかるので、
採用担当も「うちに入社したらそれが実現できるのか」という判断をしやすいです。
入社後のミスマッチも防げて一石二鳥ですね。
そもそもネガティブなことが1つもなければ転職なんてしないのですから、
そのまま伝えてOKです。が、言い回しにだけ気をつけましょう!
例)
残業が多いから → 自己学習等キャリアアップの時間を取りたいから
給与が低いから → 自分の実績が評価に反映される企業に入りたいから
業務にやりがいを感じないから → ⚫︎⚫︎を経験して、他により適性のある業務があると考えたから
同じことを言っているのですが、言い回しでずいぶん印象が変わりますよね。
一貫性のある志望動機で面接官の心をキャッチ!
転職理由は基本的にはネガティブな内容になり、そのまま伝えてOKとお伝えしてきました。
どこまで行っても大切なのは納得感です。
転職理由 → 何を変えたいのか
志望動機 → なぜ変えられると思うのか ※ここに説得力が必要
悪い例)
転職理由:残業が多いから
志望動機:社風が良いから
あれ?残業の話はどこへ、、、一貫性がないなあ。入社してもらっても他の理由ですぐ辞めそうだ。
良い例)
転職理由:残業が多いから
志望動機:⚫︎⚫︎の制度等を拝見し、効率的に業務を進める方針に共感したから
現職より稼働時間は短い中、同等以上の成果を上げており技術の高さを感じ、
私の目指すキャリアアップに近づけると思ったからです。
一貫性あり!説得力増しますよね?
まとめ:人間そんなに完璧じゃない。ネガティブ上等!
裏に何か隠している人より、ネガティブな理由だけど改善しようとしている人の方が信用できますよね。
転職理由を素直に話すことで、深掘りされても一貫性のある答えができる点もメリットです。
よく「社会貢献をしたい」という方がいらっしゃいますが、正直お勧めしません。
採用担当から「どんな社会課題を解決していきたいですか?」「今は何かボランティア等されていますか?」
って聞かれたら詰みませんか?
もちろん本当に社会貢献をしたい人ならそのまま伝えてOKなのですが、
ポジティブな理由を言おうとしているだけなら辞めておきましょう。
これまで2000名面談して本当に社会貢献をしたいという理由は1名しかいなかったです。
ネガティブな点がない完璧人間なんて存在しないんだし、
あなたはいいところもたくさんあるんだから、
お互いを知る場の面接でもさらけ出そうよ!!!
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